
一言で表すと…
自分の思考のクセが分かる仕事の擬似体験ツール です。
- いつ、どこで生まれたのか
- インバスケットは、1950年代のアメリカ空軍から始まったと言われています。
訓練で優秀な成績を収めたにもかかわらず、戦場では上手く動けないということが多かったため、
「知っている」だけではなく「使える力」があるかどうか、習得された知識が実際の現場で活用できるかを
測定するために開発されたと言われています。

- 現在の使われ方
- 今の日本では、企業や官公庁などで、昇進・昇格試験や人材育成の研修として使われています。
特に研修ではインバスケット手法を用いた意見交換を通して「コミュニケーション力」や「考える力」、「判断する力」を養います。

- どのようなことをするのか
- 物語の中の主人公になりきり、次々に出てくる問題やトラブルに、自分ならどう対応するかを考えます。
インバスケットでは、結果そのものではなく、その結果に行きつくまでのプロセスを評価するため、学校のテストのような「決まった正解」はありません。このプロセスの発揮度から、管理職に必要な10のマネジメント能力を総合的に計測することができます。

インバスケットは、「正解がない中で、自分で考えて決める力」を育み、伸ばすツールです。
毎日の家事や育児で「何からやる?」「どうしよう?」と考えることと似ているかもしれません。

あなたはこれまで、不動産会社のサラリーマンとして働いてきました。
ところが最近、両親が体調を崩してしまい、急遽店長として家業のラーメン屋さんを継ぐことに…。
準備に追われながらもスタッフと協力し、どうにか新しい店長として、お店のオープン初日を迎えました。
しかし、開店10分前にトラブルや相談が多発してしまいます。


- アルバイトの子から電話
- すみません…。ちょっと体調が悪くて…。
今日は全員出勤の日ですよね?
私がいなくてもお店は回ると思うので、休んでいいですか?

- 求人広告の営業
- こんにちは!求人情報誌の鈴木です。
店長が変わられたと聞きまして、今日は特別価格の広告プランをご紹介に来ました!

- 調理担当からの相談
- 店長、ちょっと冷蔵庫の調子がおかしいです。
電源が入ったり切れたりしてて…。
今は動きますが、正直いつ壊れてもおかしくないです。
このタイミングで買い替えた方がいいかもしれませんよ。

- 隣のお店からクレームの電話
- すみません、ちょっと困っているんですけど…。
そちらのお客さんがうちの店の前にまで列を作っているので、営業に支障が出ています。
ちゃんと列の整理をお願いできませんか?

- 町内会の方の訪問
- こんにちは、町内会で会計をしている加藤ですが、
先月分の町内会費がまだお支払いいただけていなくて…。
- あなたなら、どうする?
- 制限時間は10分です。
- どの案件から処理するか、具体的にどのように行動するかなど、家族や友人と比較してみてください。
おそらく、多くの方が「全部を完璧に対処するのは難しかった…」と感じたのではないでしょうか?
実はこれこそが、インバスケットの特徴です。
インバスケットの教材は、あえて時間が足りない状況に置かれるように作られています。
そのなかで、あなたがどうやって優先順位を決め、どんな行動をとるかを見ていくことで、
一人ひとりの行動の特性が浮き彫りになります。
忙しくて判断に迷う状況はまさに現実そのもの。
時間が無限にあれば仕事や家事など、すべてを完璧にこなすことはできるでしょう。
ですが、時間には限りがあります。
その中で何を先にやるか、実は私たちは普段から考え、取捨選択しながら活動しています。
インバスケットで問われていることは、現実においても同じなのです。

あなたの「優先順位を付けるときのクセ」や「問題解決力が発揮できているか」が分かります!
複数のやるべきことに対して、何から始めるか、どんな順番で進めるか…といった優先順位の付け方は、人によって異なります。
この違いを当社では「優先順位の付け方のクセ」と呼んでいます。
もちろん優先順位の付け方に正解はありません。
しかし、順位付けの基準となる「判断の軸」を持っているかどうかで、やるべきことが成果に繋がるかどうか、大きく変わります。
インバスケットを解くことで、「判断軸」を持っているかどうか、また自分はどんな軸を持っているのかに気付くきっかけとなります。



問題が発生した際に対処する力だけでなく「物事の本質を見極め、同じ問題を二度と起こさないために再発防止策を構築する力」こそ、
問題解決力であると当社では考えています。
問題解決力が高い人は、結果に至るまでの思考や行動である「プロセス」に抜け漏れがありません。
インバスケットを学ぶと、自分だけでは思いつかなかった思考や行動の選択肢を増やすことができます。
選択肢が多い分、プロセスの抜け漏れは減り、問題解決の精度が高まります。


インバスケットでは、結果ではなく、その結果に至るまでの思考や行動である「プロセス」を評価します。
結果はその時々の状況や運によって左右されてしまうこともありますが、プロセスを踏んだかどうかは状況や運ではなく、客観的に把握できることから再現性があり、応用が利きます。そのため成果に結びつきやすいのです。
当社のインバスケットでは、「高い成果を出す人に共通してみられる66の行動」をどれだけとったか、という観点でプロセスを評価します。

今回解いていただいたラーメン屋の問題で、皆さんが各々の判断に至るまでの行動や思考を振り返ります。



上記の他、情報収集や状況確認をしたか、創造力を発揮して対応策を考えられたか、店長として当事者意識を持って対処できたか…などの観点で振り返ってみてください。
インバスケット研修では、今回のような問題を解いた後、グループワークで他者との回答を比較することが多々あります。
これは「自身がよく行動に起こす得意なプロセス」はもちろん、「抜け漏れしてしまう苦手なプロセス」にも、自ら気付くことを目的としているからです。
強みはさらに伸ばし、弱みは克服することで、成果を上げやすくすること。
それが、インバスケットの特徴です。
インバスケットは反復練習することで下記の能力を鍛えることができます。
これらの能力は管理職に必要とされている能力です。
- 問題発見力
- 目標と現状のギャップや、本質的な問題、組織の課題を形成する能力
- 計画組織力
- 部下や組織を有効活用し、効率的・効果的に組織を運用する能力
- 問題分析力
- 仮説を立て、それを立証するために必要な情報を効率的に収集したり、問題を究明する能力
- 当事者意識
- 自ら主体的に意思決定を行い、自分またはチームに何が求められているか察知する意識
- 創造力
- 従来の枠組みを破る考え方や、様々な情報を組み合わせた対策やアイデアを出す能力
- ヒューマンスキル
- コミュニケーション能力、感受性、コーチング能力などの対人関係スキル
- 意思決定力
- 的確に判断を下し、その理由を論理的に説明することができる能力
- 生産性
- 限られた時間の中で、効率的に多くの案件を処理する能力
- 洞察力
- 全体の流れや他の案件との関連性などを把握し、意思決定や明確な計画を形成する能力
- 優先順位設定力
- 業務の重要性を考慮して、処理すべき案件の順番を考える能力
インバスケットを繰り返しトレーニングすることで、仕事の進め方が劇的に変わります。
- ■的確な判断ができる
- 当事者意識を持つことで自身やチームに何が求められているのかという観点が身に付くとともに、
全体の流れや他の業務との関連性などを捉える洞察力を発揮することで、論理的な意思決定へと繋げることができます。 - ■トラブルの大幅な減少、未然防止
- ミスが起きた際、表面的な解決に留まらず、問題を分析することで物事の本質を捉えられるようになり、再発防止に繋がります。
- ■組織全体の業務効率が上がる
- 一人ひとりが業務全体を把握し、重要度を考慮した優先順位に従って業務を処理できるようになることで、組織全体の生産性向上に繋がります。
インバス アカデミーは、「インバスケット」に特化した専門機関、株式会社インバスケット研究所が運営しています。